2023年08月09日

品質不良やクレームを解決できない「品質管理のタブー」

品質不良やクレームを解決できない「品質管理のタブー」
最近、製造品質の問題に対して、ピンとこない人が多いと感じます。品質関係の部署や、経営者の方々など、製造や生産(サービス)の現場に関わらない部署におられる方々です。2021年に講演させて頂きました「クオリティトーク」を振り返ると、いくつかの理由が浮かびます。

第125回クオリティトーク ルポ 品質管理のタブーについて
(一般社団法人日本品質管理学会)

これといった理由ではなく「いくつかのポイント」であったり「人によって囚われている問題が違う」からです。

◆「要求品質・設計品質・製造品質(サービス品質)」の3つを分けて考えていない。それぞれ違う問題なので、解決するアプローチもそれぞれ違う。

◆製造の失敗(例えばビス浮き)は「ちゃんとしっかり丁寧に」すれば誰でもできる簡単な作業と考えているが、実際に100万本のビス締め作業を、ビス浮きやビス抜けなどの失敗をせずにすべて確実締められることは、簡単な仕事ではありません。

◆社内で品質問題と認識されやすいのは、報告が上がってくるもの、他部署と連携しなければ解決しないことが多く、製造や生産(サービス)の現場で解決できることは、品質管理部や品質保証部などの部署ですら認知されていないことがほとんどです。その結果「製造の問題のほとんどが再発不良と認識されていない」ため、管理者の管理問題を解決するアプローチになっていない。また、その解決策がないことがほとんどです。(対策が作業者再指導や周知徹底などで再発。あいまいな教育をして訓練はしない、言いっぱなし管理になっている。など)そして、手直しを含めた製造品質の問題が、とてつもない損金を発生させている事実に気づけない。(生産性改善活動も報われない)

◆「製造品質の良さが、強みになる」。設計品質(機能や性能)の話になりがちだが、お客様へ届いた製品が、設計通りの機能・性能を発揮できるかどうかの製造品質によって、安全安心・信頼を得ることができます。また、設計品質は、設備を買ったり、図面をコピーしたり、技術者を雇い入れたりすれば、比較簡単に模倣することができますが「必ずビスが締まっているような製造品質の高さ」は、簡単にマネすることはできません。

皆さんも、皆さんの現場にいる作業者の方々も、間違いないく一生懸命仕事をされています。問題にすべきは、そのやり方です。製造品質(サービス品質)の問題は、そのほとんどが再発不良ですが、それは決して簡単な問題ではありません。世界中の企業が困っている問題です。現場の管理者が一人で抱えこまず、会社全体の問題として捉え直すことが、御社の品質改善・品質向上の第一歩ではないでしょうか?

「行為保証2.0」に取り組んでおられる企業様はこれらを解決し、6シグマ管理をしのぐ、工程内不良率0.4ppm(手直しを含める)のようなレベルで製造品質を管理できています。ぜひとも、行為保証に取り組んでみて下さい。

posted by 遠藤メソッド「行為保証2.0」公式ブログ at 15:54| 品質管理