2021年08月10日

真因究明(真因究明ストーリー手法)について

真因究明(真因究明ストーリー手法)について

今日の品質不良について「真因特定」に困っている方が非常に多くおられるように感じます。
日々、発生している不良の大半が「製造品質」の問題ですが、実は「設計品質」なのか「生産技術」の問題なのか、この特定が対策するためにも非常に重要です。

「設計品質」は、品質保証部が承認した後に市場に出たとすれば大きな問題です。製品寿命が全うしなかったり、狙っていた機能や性能が足りていなかったなど、このような問題を生産部門で対応することなど出来るわけがありません。クレーム率でその事象は現れます。初めは少ないので初期故障のように見えますが、時間経緯とともに増える現象が現れて気づく場合があります。壊す技術が不足したための品質保証部門の問題であり、設計部門が対処すべき問題です。

次に「生産技術力不足」から発生する不良です。これは技術確立されていないために、歩留まり管理レベルで、生産開始として対応する技術がありますが、これは、管理するパラメータが確立されていない状況で生産するので、工程内不良が数十%レベルで発生します。

部品不良も、設計問題とこの生産技術力不足で発生することは同じです。

そして「製造品質」の不良です。これは、本来自分達が行うべきことが出来ていないが為に発生する不良です。この不良の発生原因に「見えない、見てない、見られない」があります。これらの切り分けが出来ていないと真因の究明は非常に難しくなり、問題は迷宮入りしてしまいます。我々が「品質不良解決サポート」などでお伺いし、実際に起きている問題を真因究明する場合は、まずはここから始めます。

次に「製造品質不良の発生流出」と「生産技術力不足の歩留まり管理不良の流出」について、分析を支援いたします。一般的に「思い込みミス」や「うっかりミス」などの原因を「ヒューマンエラー」や「ポカミス」といった原因で結論づけて、再指導や周知徹底で対応しますが、原因は「ヒューマンエラー」や「ポカミス」ではなく、対策が「再指導」や「周知徹底」では再発します。原因は「見えない、見てない、見られない」が現場で発生しているからです。そしてこれを防ぐことに出来る工夫こそが、現場作業のノウハウであり、これを明確にして、守らせていない管理監督者も問題を明確にします。すでに、問題を分析するところで「自分たちは一所懸命やっている」「手は抜いていない」と考えることで、初めからそんなところに気づくこともなく、これまでの論理や思考どおりに考察し、結局答えは見いだせず、出口のない迷路をさまよいます。しかし、これまでの論理や思考どおりに考察するところに、パラダイムトラップが存在します。

作業として「手順を守ったか?=どんなふうに動いたか?」ではなく、任された作業のなかで、正しいと「判断したか?」「どんなふうに判断したか?」の人の行為(判断・行動)を問題点とし、問題発生や流出の原因の仮説を立て検証する支援をします。不良の内容を見れば、不十分さの不良は「見ていない」が原因で、抜け忘れ・欠損などの不良は「見られない」が原因です。また、作業者練度を確認することで「見えない」が原因であるかを判断出来ます。

問題点となるヒヤリハット(不安全状態と不安全行動)の仮説が成り立てば、現場観察で問題発生の検証は可能になり、真因が特定が出来るようになります。しかし、多くの場合は、この原因分析まででアプローチは終わってしまいます。今ある問題解決手法もそのほとんどが、ここで終わってしまいます。

再発させないためには、その対応が処置で終わらず、対策になっているか?その対策は効果があったか?までを立案し検証する必要がありますが、担当者に任せて対策が「再指導」や「周知徹底」で終わってしまいます。指導の内容は正しく伝わっているのか?伝え方に問題はなかったか?作業者に意識を持たせることは出来たか?守ろうしているかどうかを見ているか?守ることを習慣づけているか?など、管理面の問題が棚上げされいる状態では処置にしかならず、必ず再発します。ここを支援して、管理監督者の問題解決力を上げて行きます。

このように、根本的な考え方を変えない限り、皆さんが望む結果を得るための「原因分析」と「対策立案」にはなりません。

不良には必ず原因があり、必ずなくせます。
実際に不良をゼロにした会社はいくつもあります。
希望を持って「真因究明」を行ってください。

posted by 遠藤メソッド「行為保証2.0」公式ブログ at 18:31| 品質管理