
ニュース番組で新型コロナウイルスには2つのタイプがあると報道がありました。気管支で増殖するタイプと肺で増殖するタイプがあるそうです。
弊社では、製造現場だけでなくサービスの現場にも「行為保証」の取り組みを広めております。その中に、介護の現場もありますので、介護技術に関するノウハウをご紹介したいと思います。例えば、今回の新型コロナウイルスの重度化にも関係するであろう誤嚥性肺炎のきっかけにもなる、飲食時の咽込み、誤嚥を防ぐためのノウハウです。
@介護対象者の姿勢確認、喉の気道が閉じ食道が開くように、顎を引いている状態であるかどうかを見ます。背もたれに角度があるときや、寝た状態では、健常者の我々での誤嚥が発生しやすく、頭の後ろにクッションなどを置き、顎を引いている状態を保持します。
A水分の介助を行います。ご高齢者は唾液の分泌量が少ないので、口腔内やのどを潤すことで、スムーズな嚥下を促すことができます。
B食事介助の際は、声掛けを行い、口腔内に食べ物を乗せたスプーンを運びますが、いきなり口腔内には入れずに、スプーンを唇に触れさせ、介助対象者が口を開けるのを待ちます。これで介助対象者に咀嚼・嚥下の準備をさせます。口を開ける動作を見て、スプーンを口腔内に運びます。
C食事介助中は、介助対象者が嚥下(飲み込む)確認を行ってから、次の食べ物を乗せたスプーンを唇まで運びます。
※嚥下が困難な介助対象者に対しては、嚥下しやすいように水分などはトロミをつけます。
このノウハウについて、知って頂きたいのは、特に以下の@とAに該当する人たちです。
@当事者のご年配の方や、新型コロナウイルスを発症された人を介助する方々です。ご年配の方々は、誤嚥という言葉すら知らない方も多く、誤嚥しやすいことも自覚がない方がほとんどです。
A発症者を介助する人の多くが、介護士など専門職の方だと思われますが、こんなことは当たり前だと、ノウハウであるとはあまり認知しておらず、現場では「ちゃんとしてね」「気を付けて」「注意してください」など、曖昧な表現での指示で終わっている場合がほとんどです。
「行為保証2.0」では、誤嚥がなぜ発生するのか、結果(出来映え)ではなく、そのプロセス(人の判断・行動)をコントロールすることで、事故や不良などの問題を発生させない対策を可能にします。また、管理すべきプロセス(人の判断・行動)を明確にしたものが、製造技術標準(ここでは介護技術標準)になります。これは、現場の失敗しないノウハウを誰もがわかるよう形式知化されたもので、管理者からワーカーへの指導するコミニケーションツールとして現場で使われます。誤嚥などの事故(結果)が発生するときは、必ずワーカーに「見えない」「見ていない」「見られない」瞬間が発生しています。
※この場合は、嚥下したかどうかを見ていない(判断していない。)
多くの現場で、原因不明として使われている狭義の意味でのヒューマンエラー・ポカミスなどは、対策を立てることや防ぐことは難しいと考えられていますが、実際に現場で発生しているのは「見えない」「見ていない」「見られない」瞬間が発生しワーカーが反応出来ていないだけです。必ずワーカーが見るべきところ(判断すること)を10/10回できれば、事故や不良はゼロになります。
このブログを読んで頂き、一人でも多くの方の命が助かることと、多くの現場で、事故や不良がなくなれば幸いです。
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