※ウィキペディアより
2019年8月21日に「JR東日本の東北新幹線はやぶさ46号で走行中にドアが開くトラブル」が発生しましたが、幸いけが人はありませんでした。
清掃会社の社員が「ドアコック」の閉め忘れと報道されていますが「行為保証の観点」で分析してみると、真の原因はヒューマンエラーやポカミスではなく「見られない」の発生と考えます。
作業員の方は、いつもならそんな事ことは絶対にしないと思っていたはずですが、事故が発生したのは事実です。作業を考えれば「一機能を一連の動作で完了する」単位作業の中断が、何らかの理由で発生したと考えられます。単位作業は、作業中断の禁止、繰り返し動作の遵守、作業分割の禁止、など本来作業設計での決め事があります。
そもそも、この考え方がなかったか、上記原則の遵守が考えになかったか、あっても守れない外乱が発生したかです。作業中の外乱への対応は、基本的に作業を優先させて対応するのが原則です。もし作業の中断すれば、単位作業は最初からのやり直ししなければ、作業抜けが発生します。
もう一つ考えられることは、仕事の中断です。これも外乱が起因する原因ですが、仕事の中断は中断時に中断カードの表示など、どこまで作業工程が終わっているか分かる識別をするのが原則です。
この「作業の中断」と「仕事の中断」のどちらかがあった結果として、見ようにも「見られない」状況が発生し、「作業の抜け」か「仕事の抜け」になり、作業者は判断せずに作業を終えた(「ドアコック」の閉め忘れ)ため、今回の事故は発生しています。実際は、どんな対策が打たれたのか少し心配しますが、これをヒューマンエラーなどの理由で片づけられてしまうと、この事故は必ず再発してしまいます。
行為保証を導入している企業様の現場には、工程内不良0.4ppmの会社があります。ここまで行くと市場クレームはありません。1000万個に4台の工程内不良で、市場に不良など流出することはなく、仮にヒューマンエラーが本当にあれば、1000万個に4台の0.4ppmの工程内不良は達成することはできません。また、この0.4ppmの不良もすべて再発不良です。真因を対策して再発をなくすことが大切です。
行為保証の研修で、「ヒューマンエラーはありませんよ」と指導すると、「本当ですか?」と疑心暗鬼になる受講生がいます。いつも言うのですが、作業者は不良を見れば止めます。しかし、不良は発生します。現場では、「見えない」「見てない」「見られない」瞬間が発生しており、この瞬間に反応できない作業者がいるだけです。この「見えない」「見てない」「見られない」瞬間を管理することを考えないと、事故、不良、不具合はもちろん、ヒューマンエラー、ポカミスは止められません。ここに気づくことができれば、再発不良はなくなります。そのために「行為保証」という考え方を普及させるべく活動を行っています。
不良事故のない、ムダのない、品質損金のない社会、会社をつくりませんか?不具合で発生させる失敗コストは、日本のGDP500兆円の数十兆円にもなります。この損金をなくすには、行為保証(目的意識を持った動作の保証)の考え方しかありません。慢性不良や再発不良、ヒューマンエラー・ポカミスの不具合や不良は、絶対になくせます。
不良は出るものだとあきらめずに、不良は必ずなくせると希望を持って、ぜひとも皆様の現場にも「行為保証」を導入してみてください。お手伝い致しますので、お気軽にご相談ください。