2019年04月03日

外国人労働者教育とノウハウ標準化(製造技術標準)の変遷

外国人労働者教育とノウハウ標準化(製造技術標準)の変遷
おかげさまで、多くの企業様で「行為保証2.0」を導入・ご指導させて頂いておりますが、最近耳にするのは「人材不足」です。生産増加に伴い、現場が疲弊するくらいの現実があります。

人材確保のために、海外労働者を受け入れる企業も増えいます。しかし、労働者がなかなか定着せず、伝えるべきことが伝えられない。新人作業者も同じですが、さらに言葉の壁がある外国人労働者への指導に苦戦されているようです。

一般的な考え方では、手順を伝えることが大切であると考えられています。しかし、初めての仕事を覚えるためには重要ですが、手順だけでは不良を出さないための「カン」や「コツ」まで伝えきれません。作業の要領(カン・コツ)を標準化しようとしても、書式も書き手によってばらつきがあり「確認する」という概念的で曖昧な表現になり「使えるツール」「伝えられるツール」になりきらないのが現実です。

「行為保証2.0」では、暗黙知である現場のノウハウを形式化できる「製造技術標準」があります。書式を統一し、文章表現を一切使わず写真だけで構成されているので、書き手によってばらつきもなく、使う側に分かり易く作られています。また、製造技術標準に書かれているノウハウは、作業要領書などでよく書かれている「確認する」の具体的な内容です。製造技術標準をコミニケーションツールとして運用することで、初めて作業する新人作業者はもちろん、言葉の通じない外国人労働者でも、高い精度と素早いスピードのコミニケーションが可能となります。

製造技術標準は進化を続け3世代目のフォーマットに変わり、製造現場だけでなく、サービスの現場(サービス技術標準)にも使え、品質だけでなく安全などにも使えるよう汎用的にノウハウを標準化することが出来るようになりました。結果として、単に製造品質の向上と管理ができるだけでなく、現場は人の入れ替わりによる変化点(不良の発生率・納期遅れ)に強くなり、スムーズな作業者の教育訓練が可能となり、作業手順書や作業要領書では表現できない、現場の暗黙知であるノウハウを、誰もがわかる形式知に変えることが出来る製造技術標準が「行為保証2.0」のコアになっています。いかにしてシンプルに分かり易く、コミニケーションツールとして機能させるかが、重要なのです。まずは、技量・力量や技能といった曖昧な作業者の基準や管理者の基準を誰もが認識できる状態にするべきです。これらをシンプルにすることが、現場の問題を解決する糸口になります。

管理とは、あるべき姿と現状のギャップの発見であり、それらを修正して維持することです。
「行為保証2.0」はプロセスである「不安全状態と不安全行動」を発見し、警告を出し、修正・改善し、維持を求める活動です。この活動は、日本人の新人であろうが、外国人の作業者であろうとシンプルに、コミュニケーション出来る状況をつくることが重要です。現在、さまざまな取組みをされつくされている現場では、作業手順書や作業要領書の重要性から、製造技術標準の重要性へと認識が変わり、プロセスの概念と不変性の確立が求められていることを感じます。


posted by 遠藤メソッド「行為保証2.0」公式ブログ at 17:26| 品質管理