2014年02月10日

スイスチーズモデルと行為保証

スイスチーズモデル(ジェームズ・リーズン説)

「行為保証」を企業様に指導する中で、スイスチーズモデルの話が良く出ます。
図の左側が原型ですが、我々の提唱する行為保証がこのモデルにどのように影響するかを考察します。基本的には、潜在的原因の穴と即発的エラーの穴が重なる確率論の話です。

しかしここには「作業者は不良を見たら流さない」と言う考え方が入っていません。
行為保証はこの考えをPF(プラットホーム)とした思想の構築であり、見ていない瞬間と見えない状態を制御するプロセス管理手法なのです。

4S活動は非常に重要です。環境としての潜在的な原因の穴という観点で、欠くことのできない思想です。しかし、不安全状態は4S活動だけではなく、不安全行動が不安全状態を作り、不安全状態が不安全行動を誘発する構造なのです。

私が行為保証を発見したビスの着座問題ですが、

1、ガス継ぎ手の挿入時に、挿入確認不足の不安全行動があり、この時点で不安全状態が発生
2、ビスを締め付けるところで、着座を見ていない不安全行動がある
3、検査工程では、機能検査として不安全状態でも検査検出できず流出に至ったと考えるべき

この時点で、出来映え管理であれば検出できない検査機に問題があると、行為をそっちのけになるのだと思います。

問題構造は、不安全状態と行動を交互に重ねながら構成され、ベース部分に4Sの不安全状態の穴が大きいか小さいかという環境に繋がっています。その一枚一枚のチーズに、問題真因構造図があると考える事が必要です。行為保証をベースにした製造技術標準は、ノウハウを形式知にして、即発的エラーの穴を制御する道具としてあり、このことが土壌として守れる現場を造ることで、クレーム(故障)のバスタブのなかの初期不良は、根絶できるロジックです。

基本的には医療過誤についても同じメカニズムの発生があり、行為保証を応用出来ると思います。医療過誤も大きなテーマと思っており、現場の品質改善を行い、ユーザーの信頼を獲得できる現場造りに貢献したく思います。また、製造技術標準は、先輩方の築き上げた暗黙知としてあるノウハウを形式知にして、現場力を維持できる道具であることも付け加えます。

故障のバスタブ曲線(市場クレーム)

「アクリフーズ事件」など残念なことが起きておりますが、行為保証でこれが防げるのか?といった質問を頂きました。現場で作業をしていただいている方は、犯罪者ではなく作業者です。悪意を持った行為を防げるなど、思い上がったことは言いません。こんな人が、少なくなることを祈るばかりです。

posted by 遠藤メソッド「行為保証2.0」公式ブログ at 17:22| 品質管理