2015年01月13日

マクドナルド異物混入から見える「不安全状態と不安全行動」

マクドナルド異物混入

マクドナルドの混入事件が世間を騒がしているようです。マスコミも生産現場の工程設計を知らず、思いつくままにいろいろなコメントを出し、問題を煽るような発言はいかがなものかと感じます。

基本的には、前回の中国の現場のように意識がない状況での真因究明は、犯罪に近い対応で捜査が必要ですが、今回の状況は不具合(不適合品)とみるべきです。いわゆる不良流出です。レベルは低い事象であり、もしかして故意であるかもしれませんが、不良と見なして考察すればロットも特定され、出荷特定され、トレサビィリティーも明確であり、企業としては最善の対応を行っていると判断できると思います。不具合を流出したことには責任を持ち、対応が必要です。

今回の不具合は、型式からすれば偶発不良ではないかと判断します。また、今回の不具合には2つの事象があり、同じ分析の中で真因を究明している感があり、これは、分けるべき事象だと判断できます。ナイロンの混入と歯の混入は別々の原因(不安全状態と不安全行動)があり、2つの発生メカニズムは異なるモノと考えるべきです。

例えばナイロン混入は、ナイロン袋の開封作業時に破ったナイロン端の廃棄を、廃棄ボックスに入ったことを最後まで見ていない不安全行動が伺えます。また、ナイロン袋を破ると静電気が発生するため、静電気による吸着現象で手から離れにくいなどが考えられます。基本的に、練り込まれたモノを、後工程で検出しようと思うことが無理であり、たまたま表面近くに出ているモノしか検出対象にならない事は、理解できると思います。たとえこの事を認識した現場管理者がいたとしても、作業者に明確に伝えられたのか?です。

このときに「ちゃんと、しっかり、丁寧に、注意のこと!」といった曖昧語で指導があり、作業者任せの作業があったと考えるべきです。

歯の混入では、混入場所はいろいろ想定されますが、考えられる不安全行動は、マスクをしない作業をしていた工程があるということです。映像の状況から想定できるのは、表面に茶色い焦げている現象が見られ、直接油との接触が想定できる中、表面または、揚場での付着が考えられるという事です。それらの中で、工程途中にマスクを取る不安全行動がある。

上記の2つの事象が発生しているとして、作業管理上は不安全状態と不安全行動が多くある事は間違いないです。出来映え管理の限界が露呈した形の不具合であると思います。某TV番組では「こんな事があれば、すべてが信頼できない」と言っていましたが、少なくとも日本の現場で、この様な現場は皆無とは言いませんが、信頼は出来ると評価して欲しく思います。例えばアクリフーズ事件なんかは、不良発生ではなく犯罪ですので、別件です。

不良を出さないプロセス管理(行為保証:目的意識を持った動作の保証)が、普及する事を切望します。不良を発生させないための、頑健性の高い工程設計が必要であり、流出不良ゼロは実現できます。事実、私の指導している企業様の中には、300万個で1件程度の企業様が存在します。このレベルは、一般に6Σ管理の3ppmを遙かに上を行く、0.333ppmを達成している現場があるのです。運用含み多くのノウハウがありますが、日本はこの品質レベルを造り込める素養を持ち、現場の力を持っている一番近い国だと思っています。デジタルとアナログのノウハウを融合させた品質に特化したモノ造りで、他国を凌駕する品質立国を目指しましょう。

posted by 遠藤メソッド「行為保証2.0」公式ブログ at 00:00| 品質管理