2016年06月02日

「品質パトロール」目的と本質

「品質パトロール」目的と本質
遠藤メソッドWebサイトやブログに「品質パトロール」というキーワードで検索されるアクセスが多いです。前職時代に私も困った経験があるのですが、みなさんも「パトロール」に苦労されているのかな?と感じます。

例えば、役員様が急に現場パトロールと称して、抜き打ちで現場に来ます。緊張感を持たせることはできるのですが、まともな指摘もなく、本来の目的を達成しているのかについては疑問が残ります。私が前職時代に困ったのはここです。

現状の「出来映え管理の考え方」でパトロールを行っても、現場の悪さは見えないということです。不良の発生原因は1:9(不安全状態:不安全行動)の関係があり、一番難しいのは、不安全行動は泡のように消えることです。

当ブログの過去記事“品質管理における「ハインリッヒの法則」の側面”にて、行為保証(目的意識を持った動作の保証)と言う考え方を発見し、この1:9(不安全状態:不安全行動)の原理が、現場の良し悪しを評価するうえで非常に大切な観点であることの認識が、パトローラーになく、自分の目の中に飛び込んでくる不安全状態の指摘が多くなる傾向があることです。

また、現場経験のない、役員様が自分の感性で指摘をすることもそうです。正しい指摘であれば良いのですが、時に間違った指摘もあり、現場は困惑します。例えば「挨拶がなっとらん!」と指摘をすると、お客様が来るたびに作業の手を止めて「いらしゃいませ」と丁寧に挨拶する。現場にとっては外乱にしかならないことを、強要してしまうのです。

結果、作業中断が発生して、工程作業抜け(部品の付け忘れ、閉め忘れ)による不良の発生につながります。人が近づけば、即座に対応を求められ、作業の作用点から目線を外し不安全行動が発生します。パトロールの目的は、事故・不良などの防止を目的とした活動の一環ですが、その目的を逸脱していることすら気づきがない。こんな、パトロールになっていないでしょうか?

製造技術・製造品質なるものは、それなりの難しさがあるのにもかかわらず、少し軽んじてないですか?顧客要求品質と設計段階で作り込む設計品質が良好ならば、製造品質の悪さは「製造部門が守る事を守っていないからだ!」と思い込むところに間違いがあると思います。製造技術者が製造技術を駆使して、製造品質を造り込んでいます!

この認識なくして期待しているパトロールができるのか、ここがまさに疑問です。現場にはSQDCM(安全・品質・納期・コスト・人材育成)の5大ミッションがあり、これを達成すべく製造管理技術があります。
この足元を前提に、明確な目的のパトロールが本来望まれるべきだと思います。

posted by 遠藤メソッド「行為保証2.0」公式ブログ at 00:00| 品質管理