2016年07月05日

気付きのない品質損金とFコスト


気付きのない品質損金とFコスト

引用元:MEマネジメントサービス「予防コストを充実させ失敗コストを減らす」



インターネットで「品質損金」と検索すると、多くは出てこないが「Fコスト」と検索するとそこそこ出てくる。上記のグラフ「総品質コスト=予防コスト+評価コスト+失敗コスト」を検索で見つけましたが、ここでの不良とは、残念ですが再発不良がほとんどなのです。

今回提言する「品質損金」とは、もっと具体的な、リアルな損失を言います。
多くの企業様では、経費の一部として計上して、損金の認識すらない状態であると思います。
また、一般に言う、JITの7つのムダの一つの「不良を造るムダ」でもありません。
私の経験知なので、環境が違う皆様の会社に合わせて考察してください。

例えば、不良を流出したとして、それが稀な原因での不良であろうがなかろうが、発生した時点で営業に一報が入り、ユーザーが重要であれば、まずは営業責任者が客先対応します。原因調査のために技術者が現地に出向き調査し、不明であれば代替えを手配して持ち帰り、原因分析を行います。この間、確認実験なども含み多くの時間・労力を費やし、真因究明、報告書作成、お客様報告説明、しかるべき役職が同行してお詫びを行い、事後対応を決め遡及処置として市場在庫品の点検を行います。もちろんそのロットすべての対応となります。点検者を動員して時には数か月を費やし点検を行い、完了後は報告書を作成して報告に出向きます。その間、対策を立て実施して、その報告書も作成して同時報告が基本です。遡及が不十分と判断されれば、追加点検など非常に厳しい状況での対応が完了して一件落着ですが、その次に求められることは、新製品もしくは新しい現場対応で、ユーザー様から値引きの要求です。これは、不良を発生させなければ、求められなかった要求です。

これらはすべて、品質損金です。

一通り不良が出れば、大きな案件、小さな案件でも、同じストーリーで発生する品質損金の内容です。具体的には3つの損金があり、一般的には、経費の名のもとに品質損金とは認知されないのです。

・実質的に発生する損金:選別、点検、スクラップ費、代替え品対応、実験費、報告書作成費、出張費、監査受入れ費、etc...
・機会損失の損金:営業対応での代替え品対応による生産遅れ、技術マンの本来業務、etc...
・値引きの損金:営業時の値引き要求など

em2016_07_05_2.jpg

故障のバスタブ曲線の初期故障は、すべて上記のストーリー発生時に経費を増加させ経営を圧迫する要素になっている。予防コストとして、多くの方が認識しているのは、設計の対応するコストを認識しているようでありますが初期故障のクレームは、製造現場の製造品質が原因です。この初期故障のところで、設計要因があれば、これはリコールに近い事象です。もちろんこの手の問題は、ISO9001の実践によってレベルの向上はあり、意外に、関係者はここを評価していないようであるが、現場で発生している問題は、製造品質問題の初期故障のクレームにある。われわれは、本来この初期故障ゼロを目標にした活動が必要であると思います。

予防コストレベルは、製造プロセスの製造品質向上・現場改善が必要であり、品質損金とは、ここで発生するすべての損金として表現します。時に経費の30%以上になることもありますが、経営者は、生産をすれば不良はつきものと、諦めをもって現場を見ているようですが、製造品質による品質損金は無くなります!
6シグマ管理を達成すれば、本来の予防コストに人・物・金がかけられ、経営上の善の回転が生まれます。

遠藤メソッドの行為保証は、これらを実践できる唯一無二の手法と考えており、現存する品質管理手法の中で、プロセスを保証した出来映え管理を実践できる思想と考えています。
行為保証を導入すれば、まず再発不良は無くなり、品質損金はゼロに向かう改善が動き出します。

posted by 遠藤メソッド「行為保証2.0」公式ブログ at 00:00| 品質管理