2017年04月03日

「IoT」「インダストリー4.0」におけるフィジカルの課題

「IoT」「インダストリー4.0」におけるフィジカルの課題
「行為保証サミット2016から見える産業界」のブログの内容で、もっと多く語る所もあり、再び記事にしました。

前職(株式会社ノーリツ)では、15000品種の製品を受注後N+1で出荷できる、フィジカルの強さがありました。
協力会社の中で、生産リードタイムを短くするべく、ジャストインタイム生産システム(JIT)、バラエティ・リダクション・プログラム(VRP)の手法の中で、N+1の生産リードタイム確立を図っていったのですが、実はこの二つではN+1の確立が出来ず苦戦していたのが現実でした。
理由は、品質の直行率です。
工程内不良率と言った方が理解しやすいかもしれませんが、当時は3台の不良がラインに停滞する状況があり、リカバリタイムが30分/台程度あり、3台だと、90分かかることになり、方面別便の定刻に間に合わず、お客様にご迷惑をかける恐れがあったからです。ネックになったのが品質であったのです。
N+1で生産リードタイムが短くなれば、「IoT」「インダストリー4.0」の第4次産業革命の中で、システムトータルでの効率化に合致し、狙いどころでもあるのです。
現状の「IoT」「インダストリー4.0」の発想の中に、このフィジカルの強さが解決できていないところにあり、前職においても最後の壁になっておりました。

行為保証の考え方を確立する中で、不良が激減してライン稼働時の不良が停滞しない状況で、N+1の確立が出来たのです。
トヨタ生産方式の運用ができる様になり、システムの中で自動発注、無検査による受け入れが仮にできたとしても、ひとたび不良が出ると複雑な対応が求められ、システムの運用が難しくなるのが現状です。
昔から、品質第一と表現されるように、デリバリー(納期)がよくなっても、品質向上の保証はなく、コストが下がっても品質向上の保証は無く、品質が向上すれば、デリバリー・コストのトラブルなくなり、システム運用は円滑になります。
現状の「IoT」「インダストリー4.0」のフィジカルの“課題”は、ここにあると思います。
ここをなくして、第4次産業革命の成功はないと感じております。

“課題” =ありたい姿と現状のギャップです。
ありたい姿とは、ここでは、工程内不良ゼロの製造品質の確立です。
もちろん、工程内不良ゼロは、クレームゼロでもあるのです。


バラエティ・リダクション・プログラム(VRP)とは
http://www.weblio.jp/content/VRP

N+1、 JIT(NPS、トヨタ生産方式)の用語
N(受注日)+1(日)で、生産・出荷が完了するということ

フィジカル=サイバーフィジカルシステム(CPS)における生産現場のこと
※サイバー(ビッグデータをAIで解析した一番効率の良い生産計画)
フィジカル(その生産計画を実行できる現場の強さ・正確さ)

posted by 遠藤メソッド「行為保証2.0」公式ブログ at 00:00| 品質管理